行定勲監督の新作「ピンクとグレー」がこのほど、第20回釜山国際映画祭、第28回東京国際映画祭で上映された。ジャニーズ事務所の人気グループ「NEWS」の加藤シゲアキによる処女小説が原作。行定監督らが原作をアレンジし、新たなエピソードも盛り込んだ。
『GO』の頃に帰った気分で撮った(行定勲)
若手俳優二人の光と影を描いた作品。人気俳優・白木蓮吾(中島裕翔)の急死と、親友で死を目撃した河田大貴(菅田将暉)の関係性を描く。主演には同じくジャニーズの人気グループ「Hey! Say! JUMP」の中島が起用された。
釜山映画祭上映後の質疑応答に参加した行定監督は、中島について「彼のように恵まれた容姿の人間が、自信を持てず奈落の底に落ちる。逆に菅田は自分の力で世界をひっくり返そうと考えている。そういう青春映画を撮りたかった。(中島の演技には)すごくリアリティーがあった」と語った。
また、タイトルにちなんだ2色を効果的に使用。「劇中劇」を使って主演2人に二役演じさせた点について、行定監督は「2人の関係性が重要だった。前半は甘酸っぱい青春の記憶のようなトーン。後半は現実になり、うまくスイッチが入った。2人の関係性が重要だった」と説明した。
さらに、自身が作る「青春映画」に言及。「人生は自分で勝ち取っていかなければならない。若い人、今の日本には熱いものがなくなっている。(初期作品の)『GO』(01)の頃に帰った気分で撮ってみようと思った」と話していた。
「ピンクとグレー」(2015年、日本)
監督:行定勲
出演:中島裕翔、菅田将暉、夏帆、岸井ゆきの、千葉哲也
2016年1月9日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。