韓国で歴代2位の動員を記録した「国際市場で逢いましょう」が5月16日、日本で公開された。南北分断による一家離散、西ドイツ(当時)への出稼ぎ、独裁政権下のベトナム派兵など、歴史の荒波の中でひたすら家族のために生きた男の姿を温かいまなざしで描き出き、韓国の父親たちへ感謝のメッセージを送る。ユン・ジェギュン監督が思いを語った。
有名人の無名時代の姿が登場
物語は1950年、朝鮮戦争のさなかに米軍が現在の北朝鮮から大量の避難民を海上輸送するシーンから始まる。主人公ドクス(ファン・ジョンミン)は混乱の中、父や妹と生き別れになり、釜山の市場「国際市場」に小さな商店を出す親せきの家に身を寄せる。
映画には韓国現代史の重要なトピックが散りばめられる。一家の大黒柱となったドクスは炭鉱作業員として西独に出稼ぎに行き、そこで派遣看護師のヨンジャに出会い結婚。韓国がベトナム戦争に派兵していた70年代には再び家族を養うために韓国を離れ、民間技術者として戦地に赴く。80年代には南北離散家族を見つけるテレビ番組で生き別れた妹を探す。
有名人の無名時代の姿が登場するのも見どころのひとつだ。現代グループ創業者の鄭周永や韓国のデザイナーの先駆けアンドレ・キム、人気歌手のナム・ジンが主人公の前に現れ、夢を語る。ベトナム戦争に参加するナム・ジンを演じたのは東方神起のユンホ。今回が本格映画デビューで、戦地でも歌を忘れない陽気な兵士を演じ、の新たな一面を見せてくれる。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。