マイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮によるSFアクション「トランスフォーマー」シリーズ4作目。主演は前3作のシャイア・ラブーフからマーク・ウォールバーグにバトンタッチ。キャスト一新で新たなエピソードが描かれる。
すっかり「トランスフォーマー」がライフワークとなったベイ監督。「ザ・ロック」(96)、「アルマゲドン」(98)、「パール・ハーバー」(01)など大型アクション映画を得意としている。スーパーカーによる派手なアクション、軍隊を使った本格的な戦闘シーン。CGに頼らず車や建物を壊しまくり、大規模な爆発を融合する。徹底した"破壊の美学"を貫いてきた。
そんな監督にとって「トランスフォーマー」は格好の題材といえよう。車やトラックに姿を変えた生命体が超高速で変形し、巨大ロボットとなって敵と戦う。実写とCGをバランスよく合わせ、派手なアクションと破壊の美学で、全世界をあっと言わせてきた。
2時間45分の長尺でアクションの連続
前作まで正義の戦士で人間の味方だったトランスフォーマー集団「オートボット」。今回は一転人間の敵とみなされ、排除の対象となっている。前作の悲劇を経て、政府が「すべてのトランスフォーマーが地球を去らない限り、平和は訪れない」と判断。トランスフォーマー一掃に乗り出したのだ。
一方、米テキサスで廃品業を営む発明家ケイド(ウォールバーグ)は、偶然トラックに姿を変えたオートボットのリーダー、オプティマスプライムを手に入れてしまう。トランスフォーマーをめぐる駆け引きは激化し、地球滅亡の危機にまで発展する──。
舞台は米テキサスの農場から、香港の高層ビル群へ移動する。擬人化されたロボットは人格を持ち、言葉を話し、激しい動きで超絶バトルを繰り広げる。2時間45分の長尺でアクションの連続を見ていると、混沌とした雰囲気に包まれ、感覚が麻痺してくる。ロボットの戦いに巻き込まれ、術をなくした人間に似た状態だ。
シンプルな面白さに徹した1作目に比べ、人間ドラマとロボット・バトルを両立させたため、構成が複雑になり難しさも感じる。しかし、恐竜型や二刀流のトランスフォーマーが登場するなど、話題が尽きぬ作品であることは確かだ。
「トランスフォーマー ロストエイジ」(2014年、米国)
監督:マイケル・ベイ
出演:マーク・ウォールバーグ、ニコラ・ペルツ、スタンリー・トゥッチ、ソフィア・マイルズ、ジャック・レイナー
2014年8月8日(金)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。