第26回東京国際映画祭特別招待作品「鑑定士と顔のない依頼人」のジュゼッペ・トルナトーレ監督がこのほど、上映に合わせて東京・六本木で舞台あいさつし、作品のテーマについて「偽りの中にも真実がある」と語った。
緻密に張られた伏線の上質ミステリー
名画の真贋を見分ける鑑定士(ジェフリー・ラッシュ)を主人公に、さまざまな謎が散りばめられたミステリー。孤高の天才的鑑定士にラッシュを起用した理由について、監督は「脚本を書く段階では候補が2人いた。完成後に『ジェフリーしかいない』と思い、すぐ脚本を送った。1週間で『ぜひ出演したい』を返事を受けた。非常に簡単でうれしい出会いだった」と振り返った。
また、ラッシュの俳優としての魅力を「何事にも挑戦し、勇気もある。役柄に飛び込んでいくタイプ。厳しい反面、遊び心もあり、楽しみながら演じられる人。何より俳優として自分の仕事を愛している。一緒に仕事をするのは本当に楽しく、最高の経験だった」と語った。
綿密に練られた脚本、緻密に張られた伏線で、上質の推理小説のような味わいがある同作。作品のテーマを「偽りの中にも真実がある。日本の皆さんは素晴らしい才覚をお持ちなので、(作品のポイントは)きっとお見通しでしょう」と話し、満場の客席から拍手を浴びていた。
「鑑定士と顔のない依頼人」(2013年、イタリア)
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルビア・ホークス、ドナルド・サザーランド
2013年12月13日、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
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